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『ジグソウ』公開記念:『ソウ』は壮大なサーガだ

密室から始まるサイコスリラーの傑作、『ソウ』のシリーズ最新作『ジグソウ:ザ・レガシー』が11月に日本で公開されます。

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シリーズ第一作となる『ソウ』は2004年公開。ジェームズ・ワンリー・ワネルがわずか20日間、1億円の予算で仕上げ、世界中を興奮の渦に巻き込みました。

『ソウ』シリーズは当時無名だったジェームズ・ワンリー・ワネルを世界的に有名な映画製作者に押し上げた他、2000年代のホラー、そしてジグソウを演じるトビン・ベルを代表する作品となりました。

『ジグソウ:ソウ・レガシー』はジグソウの死から10年後を描くということで、ジグソウの真の後継者たるゴードン医師が新たなゲームを仕掛けるのか。それとも、第4のジグソウが現れるのか。(予告編→


Jigsaw Trailer #1 (2017) | Movieclips Trailers

さて、そんな『ソウ』シリーズですが、観たことの無い人からは「あー、あのグロい映画でしょ?」と評されることが多い映画です。中には「ただのスプラッタ映画」という厳しい評価も。確かにグロテスクな描写が(『ソウ2』以降は特に)多い映画です。

『ソウ』シリーズを「ただのスプラッタもの」とシンプルに捉えてみるのも一つの見方ですが、『ソウ』シリーズは俯瞰したときに、まさに『ボーン』シリーズの様な壮大なサーガと観ることもできるのです。

 

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『ソウ』1作目については、もはや解説の必要はありません。密室に閉じ込められたアダムとゴードンの2人が連続殺人鬼ジグソウのゲームの対象となります。最終的にゴードンは自らの足を切断し部屋を脱出。一方、脱出の方法を見つけられなかったアダムは、死体であったはずの中年の男性こそがジグソウであるという衝撃の事実を目の当たりにした後、「ゲームオーバー」をジグソウに告げられ終了します。

『ソウ』はこれ以降シリーズ化され、公開予定の『ジグソウ:ソウ・レガシー』を含めた7つの続編が製作されますが、『ソウ』1作目は、続編を抜きにした一つの完成品として捉えることが出来るのです。

ジグソウは何者なのか?アダムとゴードンの運命は?いろいろと解釈の余地が残る傑作です。

続編を含めるとなると、純粋に2→3→4→5→6→7と観て世界観(ストーリー)をつかむのもひとつです。

しかしこれら続編を含めると、以下のようなピースが成立します。

 

◇『ソウ1』&『ソウ2』→『ソウ』エピソード1

◇『ソウ3』&『ソウ4』→『ソウ』エピソード2

◇『ソウ5』&『ソウ6』→『ソウ』エピソード0(ビギニング)

◇『ソウ ザ・ファイナル』→『ソウ』エピソード3(ファイナル)

 

【『ソウ』エピソード1】

『ソウ』ではジグソウの事件に巻き込まれたアダムとゴードン、そしてジグソウを追うタップ刑事の物語が描かれます。

『ソウ2』ではジグソウが死のゲームを始めたきっかけや経緯が語られ、ジグソウが『1』で語った哲学がより踏み込んだ形で開陳されます。ジグソウを追う警察の登場人物や、新しいゲームの被験者の数もぐっと増えました。『2』では、かつてのゲームの被験者であるアマンダ・ヤングがジグソウの弟子であった事が明らかになり、エリック・マシューズ刑事を巧みに操った2人はまんまと警察の包囲網を逃れ、姿をくらましたのです・・・。

つまり、『エピソード1』ではアダム&ゴードン、タップ刑事の物語、そして彼らの出来事の次に起こるゲームを包括しているのです。

【『ソウ』エピソード2】

『ソウ3』と『ソウ4』は、『4』の終盤で明らかになる通り、同時間軸で進む物語です。

マシューズ刑事とケリー刑事の失踪、デンロン夫妻とリッグ隊長に襲い掛かるゲーム、事件を追う連邦捜査局(FBI、Federal Bureau of Investigation)の執念、そしてジグソウを影から支える後継者の正体・・・。スプラッター色が強くなる2作ですが、スリリング度も負けてはいません。

『ソウ3』と『ソウ4』では、1作目から警察を引っ張ってきた主要人物らがことごとくジグソウに関与してゆきます。死の間際にいるはずのジグソウが、なぜここまで大掛かりなゲームを仕掛けられるのか。

その影にはアマンダ・ヤングと、ジグソウ事件の担当刑事、マーク・ホフマンの姿がありました。

つまり『ソウ3』と『ソウ4』では、シリーズを裏から支えていた屋台骨の正体が明らかになります。そして死亡したジグソウから、世間へとあるメッセージが公表されます・・・。

【『ソウ』ビギニング】

ソウ5』と『ソウ6』では、ジグソウの後継者を追うFBIとホフマン刑事の闘い、ジグソウが元妻に残した遺志、またホフマン刑事がジグソウの支援者となった経緯が描かれます。

この頃からシリーズ監督も変わり、特にスプラッタ色も強くなります。続編の製作自体が賛否両論となるのもこの辺りからです。

しかしあえて言いましょう。『ソウ5』と『ソウ6』なくして、『ソウ』ユニバースは成立しません。それは決して、『ソウ1』や『ソウ2』の後付け的部分が多いからではなく、ジグソウがジグソウたる所以が明らかになるからです。

幸せな人生を送っていた建築家ジョン・クレイマーが、いかにしてジグソウに変化したのか。ジグソウ事件を追うはずのホフマン刑事が、なぜジグソウの支援者となり、どの様に彼をサポートしたのか。ジグソウの元妻、ジルに残された遺言とは。

これらが全て明らかになるのが『ソウ5』と『ソウ6』であり、『ソウ』ユニバースの淵源(オリジン)なのです。

【『ソウ』ファイナル】

6年に亘って続いたジグソウのゲームも、ついに最終作。シリーズ初の3D、そしてゲームも外界へと飛び出します(今まで『ソウ』シリーズはカナダのトロントにあるスタジオで撮影されることが多かったのですが、今作ではついに公衆の面前でゲームが開催され、市内のオペラハウス前でロケが行われました)。

復讐に燃え暴走するホフマンと、その魔の手から逃れようとするジル、ホフマンを追う警察、誰にも言えない秘密を抱えホフマンのゲームに挑まされるボビー、そして姿を現すある人物・・・。

単体では強引な設定が多いのは否めませんが、『ソウ』を完結させる上では些細な話でしかありません。

ジグソウに忠誠を誓い、忠実に彼のゲームと理念を支え続けた後継者。全ての裏に居た人物とは。この人物が告げる「ゲームオーバー」には、多くの観客が天を仰ぐでしょう(実際に筆者も、『ソウ』の時と同じように、口をあんぐりと開けてしまいました)。

『ソウ ザ・ファイナル』はまさにファイナルであり、全ての幕引きとなります。

『ソウ』から始まる6作、そして巨大サーガに幕が下りました。

 

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私は基本的に、映画評論家という職業は必要ないと思っています。

映画を観てどう解釈するかは観客個人の選択に任されるべきであり、あくまでも評論家が映画の解釈をひとつに規定することは、言うなれば個人の自由の侵害にあたります。

あくまでも「このシーンはこのオマージュだった」「このシーンにはこういう意味も含まれていた」と解釈の選択肢を提案するのが映画評論家の役割であり、まかり間違っても「この映画は反戦だ」「この映画はアメリカ政府のプロパガンダだ」などと一方的な解釈を押し付けてはいけません。『シンドラーのリスト』を観てナチス崇拝に走ろうが、『バトルシップ』を観て反米感情を高ぶらせようがそれは本人の自由です。

『ソウ』のテーマをどう解釈するか。『ソウ』シリーズを「ただのグロい映画」と敬遠するか、「命の価値を問う傑作」と賞賛するか。

『ソウ』の解釈にゲームオーバーはありません。

選択はあなた次第なのです。