社会人3年目が英字新聞を読み解きながら2018年中に100万円貯金を目指すブログ

世界の英字メディアを読みながら、カナダ旅行の資金100万円貯金に向かって突き進む、カナダと銃を愛する社会人3年目のブログです。

米連邦捜査局 重大事件対応グループについて:About Critical Incident Response Group

f:id:YYZ095:20171213154903p:plain

アメリカもののアクション映画や警察ドラマを見たことがある人ならば一度は聞いたことがある、連邦捜査局、通称"FBI"(Federal Bureau of Investigation)。

FBIの中には、緊急事態への対応を専門とした部署があります。

その名も、「重大事件対応グループ」。英語名を"Critical Incident Response Group"といい、通称は"CIRG"です。

今日はこのCIRGについてご説明いたします。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

CIRGには、様々な特殊訓練をつんだ特別捜査官(Special agent)や専門職員が所属。危機管理や人質救出、監視、航空支援、危険物対応、交渉、行動分析、戦術作戦を行なっています。

f:id:YYZ095:20171213155544p:plain

CIRGは、1994年に、FBIの戦術や危機管理、行動分析などの人員やリソースを統合し、重大事件に素早く対応できる組織作りの為に創設されました。

CIRGのモットーは、"Proventus Per Adparatus"、「準備を通じた成功」です。CIRGはFBIの現場部門だけでなく、州警察や保安官事務所など、米国の各地域におけるカウンターパートに対する様々な人的、戦術的、情報的支援を行います。

CIRGには複数のセクションがあります。ひとつずつ見てゆきましょう。

 

◇航空および監視部門(Aviation and Surveillance Section)

FBIの捜査活動において航空支援や監視活動支援を行い、米国に対する諜報活動やスパイ活動を防止する。

◇戦術作戦部門(Tactical Operations Section)

戦術的な作戦面の支援を行い、あらゆる犯罪事案に対処する。(レスポンス・タイムはおよそ4時間)。麾下に3つの部隊がある。

①人質救出部隊(Hostage Rescue Team、HRT)

→人質救出やテロリズムなど、警察の通常対応能力ではカバーしきれない分野において出動。米軍の特殊作戦コマンドのひとつ、統合特殊作戦コマンド、通称"JSOC"(Joint Special Operations Command)とも連携を行っています。

f:id:YYZ095:20171213161726j:plain

②FBI特殊火器戦術部隊(FBI Special Weapons and Tactics Team、SWAT)

→HRTと同じく、人質救出や立て籠もり事件などに出動。アメリカ56のFBI支局にSWATは配備されている。警察や保安官で対処しきれない事態に対処し、州を越えて派遣されることもある。

f:id:YYZ095:20171213162106j:plain

③危機交渉部隊(Crisis Negotiation Unit)

→FBIが関与するすべての交渉事案に参加する部隊で、活動範囲は米国内に留まらない。人質をとった犯人との交渉にあたる、ネゴシエーターの集団。

◇捜査・作戦支援部門(Investigative and Operations Support Section)

重大事件や大規模な捜査において専門知識の提供や行動分析、危機管理、即応体制構築の支援を行う。傘下には凶悪犯罪分析国家センター(National Center for the Analysis of Violent Crime)や行動分析ユニット(Behavioral Analysis Unit)などがある。

◇戦略情報・作戦センター(Strategic Information and Operation Center)

FBIの戦略情報、ならびに危機管理や特別事態モニタリングのための情報センター。

◇危険物作戦部門(Hazardous Devices Operations Section)

爆発物などの危険物や大量破壊兵器への対処・対応を専門とする部署で、カウンターパートへの訓練や助言、支援も施す。

◇重大事件インテリジェンスユニット(Critical Incident Intelligence Unit)

作戦立案や戦略的な意思決定に必要なインテリジェンス(情報、諜報)提供を行う。

 

上述の各部門や部隊、ユニットのうち、いくつかは映画やドラマにも登場しています。

例えば、人質救出部隊(HRT)は映画『エンド・オブ・ホワイトハウス』にて、北朝鮮コマンドに占拠されたホワイトハウスの包囲網を構成しています。

f:id:YYZ095:20171213164430j:plain

また、ドラマ『24』シーズン7において、ジュマ将軍が占領したホワイトハウスに突入する部隊もFBIのHRTです(隊員のタクティカルジャケットの背中に「CIRG」の文字があります)。

f:id:YYZ095:20171213164756j:plain

その他、ボストンマラソン爆破事件をベースにした映画『パトリオット・デイ』においても、MIT学生寮への突入シーンや犯人逮捕の際にHRTが登場します。

f:id:YYZ095:20171213165115j:plain

f:id:YYZ095:20171213165218j:plain

f:id:YYZ095:20171213165300j:plain

FBI特殊火器戦術部隊(FBI SWAT)はドラマ『24』のシーズン2で登場します。

f:id:YYZ095:20171213165519j:plain

f:id:YYZ095:20171213165551j:plain

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

日本にはCIRGの様な法執行機関内のエキスパート集団、あるいはFBIの様な全国規模の捜査機関が存在しません。

警察は各都道府県にあり、警察庁はそれらを統括する立場にあります。

交番の制服警官や犯罪捜査を行う刑事、街頭警備にあたる機動隊員、極左集団やスパイの摘発にあたる公安捜査員、立て籠もり事件に対応するSAT(特殊急襲班)は管理官などの幹部クラスをのぞき各都道府県の警察の警察官です(なお、警視庁と警察庁はまったく別物です。警視庁は東京都を管轄する警察で、警察庁は各都道府県を統括する官僚機構です)。

地方の警察で対処しきれない事案に警視庁の機動隊やSATが応援に赴くことはありますが、あくまでも警視庁の警察官が応援として出動しているだけであり、CIRGないしFBIのような横断的な機関の職員が存在するわけではありません。

また、FBIは基本的にアメリカ国内での捜査活動に従事します。外国のスパイ摘発やそれらの情報収集にも従事していますが、CIAこと中央情報局とはまったく別の組織です(CIAはアメリカ国外でのスパイ活動や情報収集に従事しています)。

ですので、ロシアによるアメリカ大統領選挙への介入疑惑や政府高官によるロシアへの情報漏洩疑惑や共謀疑惑はFBIが捜査を担当しています(半年ほど前に、トランプ大統領がFBIのジェームズ・コミー長官にロシア疑惑の捜査中止を要求したのではないか、と話題になりましたね)。

なお筆者としては、日本にはCIRGの様な警察組織内のエキスパート集団は必要ないと考えます。

そもそもFBIはアメリカ国土の広大さ故に存在しているのであり、現状の我が国では各都道府県警察と警察庁の体制で対応できていると思われます。

SATの様な戦術部隊も主要な都道府県警に配置されており、SATで対応できない事案には自衛隊が治安出動を行えば十分対応できるでしょう(そもそもSATはかなりの精鋭集団です)。

以上、FBIのCIRGについて紹介いたしました。