A Journey for “Proper Works”

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なぜ銀行はブラックなのか

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就職先としての銀行と聞くと、「高給」「安定」「ホワイト」の3つをイメージする人は少なくありません。

確かに、30代前半で年収1000万円に到達する行員はいます。

基本的に50代までは銀行での雇用は保証されていますし、出向・再就職先も銀行が世話をしてくれます。

労務管理も昭和の時代よりも厳しくなり、出退勤をPCやカードで管理している銀行が多いですし、霞が関の様に日付を跨ぐのが当然…ということもありません。

が、上記3点は非常に表面的な見方でしかありません。

新卒カードを銀行に切ってしまうのは非常にもったいないので、どうか本エントリー読んで、銀行を就職先に選ばないようにしてください。

解説してゆきましょう。

 

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Q. 銀行員は高給取りなのか?

A. 一部の役席者と役員のみです

→銀行、なかでも三菱UFJ、三井住友、みずほのメガバンクでは30代で1000万円の年収に到達する行員がいます。

しかし、①1000万円に到達するには長時間の残業時間手当が必要である、②役席*1になるには行内テストで高得点を獲得し、実績を挙げる(ノルマをクリアする)必要がある、③役員になるには実力や海外勤務だけでは無理、です。

①については、銀行では本部勤務の行員ほど残業時間が長くなります。月60時間以上の残業はザラです。人事部など企画裁量労働制が適用される部署ではもっと長い残業が当たり前です(もちろん、裁量労働制といっても朝7時や8時から出社して終電ダッシュ)。記録上の残業には時間外手当が支払われるので、その分月収はアップします。

逆に、残業できる時間が少ない*2営業店では、残業代も減るのでその分月収も伸びません。

②については、役席を付与されるためには銀行業務の知識を問うテストや資格保有の有無が関係してきます。テストで高得点を得て、簿記やFP、証券アナリストなどの資格を保有すれば役席への道が開けます。

じゃあ役席を得られるまで挑戦すれば…という甘い考えは通りません。役席者になるチャンスは入行7年目前後の一回きり。減点主義人事の銀行では再挑戦は不可能です。役席者への昇進に失敗した行員は人気のない部店をぐるぐる回るか、同じく人気のない関連会社へ出向です。

③については、まず学歴が最初のフィルタになります。基本的に役員になれるのは東大や京大、一橋などの国立トップクラス大学の卒業者*3。私立からだと慶應ぐらいでしょうか。某MUFGの元会長は京大法学部。SMBCフィナンシャルグループCEOの国部氏は東大経済学部。実力たたき上げで役員に…なんてウマい話はありません。

で、実力だけでも上にあがれないのが銀行です。酒席やゴルフコンペなどで上席に気に入られ、出世ルート*4を歩んだ人間だけが上の上にあがれます。ちなみに、メガバンクにおいては、同期500人のうち2人か3人が役員になるかならないか…という確率です。

 

Q. 銀行員の雇用は安定しているのか?

A. はい。ただし嫌がらせ人事や左遷は普通にあります

→銀行における労務契約は日本の法律に基づいているので、外資系企業がやるようなえげつない解雇(朝来たら机が無い、いきなり上司に呼び出され「君クビね」と宣言を受ける、など)はありません。

ただし、銀行における人事は上司の評価が全て。営業店においては所属する課の課長や次長、そして支店長が部下の人事を采配します。仕事の出来が悪い、飲み会などの付き合いが悪い、なんとなくムカつく…理由は何であれ、気に入らない部下をセンター*5や窓際部署に彼らは飛ばせます。そんな部署で働き続けられる人は多くないでしょう。

また、出向も出向先がブラック企業であったり、待遇が非常に悪い出向先に当たると悲劇。年齢が年齢だけに自力で再就職をするのも難しいでしょう。

露骨なクビはなくとも、事実上のクビはザラにあります。

 

Q. 銀行の働き方はホワイトなのか?

A. 違います

上述の通り、労働時間の管理はパソコンやゲートを通過した時間で管理されます。記録された範囲での時間外手当が支払われる、という点ではホワイトと言えるかもしれません。

しかし、本部では月60時間を超える残業をする部署が多く、法人部門では過労死ラインを超える部署もあります。月100時間の残業をします。裁量労働制の部署はもっと悲惨。

営業店では、休日に取引先とのゴルフコンペ、地域・支店のイベントや社内旅行などが平気であります。取引先とのゴルフコンペは言うまでもなく、地域・支店のイベントも出席しないと「あいつは付き合いが悪い」と陰口をたたかれます。陰口で済めば良いですが…。休日出勤手当?そんなもの出ません。だって自主参加*6だからね。

本部、営業店に共通して言えることは、銀行では業務の大半を紙と印鑑で回しており*7、そもそもの業務効率が非常に悪いです。フィンテック働き方改革!と打ち出した某銀行が、社内向け通貨*8を誇らしげに宣伝していたのが滑稽でした。

 

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上述の3点のほか、若手銀行員の離職率増加に貢献しているのが「詰め」文化です。

「詰め」という言葉自体が金融業界特有の表現で、要はパワハラです。

ノルマ未達、事務事故、ストレス発散…。理由は何であれ、銀行では上司による若手行員の厳しい叱責がまかり通っています。人格否定、土下座強要、物を投げつける、机やキーボードを壊す、などなど…。「死ね」「殺す」など過激な表現も飛び出します*9

これでメンタルを崩し、鬱や休職、果ては退職に至る行員が多数います。もちろん女性行員も例外ではありません。一般職だから大丈夫?甘いなぁ…。

日経新聞やビジネス雑誌では、銀行員の離職率増加が経営・金融環境の悪化に伴うものだ!などと解説していますが、これも表面的でしかない、スポンサー(銀行)に忖度した物書きです。

なお、ツイッターで「金融 18卒」などと検索をかけると、銀行の悲惨な現状に苦しむ声が見られます。

就活シーズン真っ盛りの今、本当に銀行を就職先に選んで良いのか…。

よく考えてください。

「詰め」られて社会人1年目から鬱になりたいですか?

*1:支店長代理、調査役、上席調査役、課長、次長、支店長…etc

*2:支店の金庫は朝と夜の所定の時間になるとカギがかかるので、たいていの仕事が出来なくなります。朝の8時から夜の20時という銀行が多いです。

*3:東大や京大を出ても必ず役員になれる訳ではありません。念のため。

*4:人事部、新入行員研修担当、経営企画系、海外勤務経験者を指します。

*5:顧客の印鑑情報を延々とデータベースに登録するだけの部署など

*6:事実上の強制なのは秘密。

*7:メールの送信画面をプリントアウトして印鑑を押して上司に回覧しOKが出たら送信…なんてやってます。

*8:銀行内でしか使えません。

*9:過去に武富士だったか、消費者金融でのパワハラ事件を思い出していただければと。